日本の異常な住宅事情

日本の住宅着工件数は少子化となってからもそれほど落ちることがなく、現在でも90万戸以上建築されている異様な状態です。空き家率は13%を突破して今後も増え続けるのは間違いないにもかかわらず相続税対策などと言って建築の推進をしています。今の住宅着工件数がどれほど異常な状態なのかを世界の数字と比較してみていきたいと思います。



住宅着工件数と出生数

まずは住宅着工件数について見ていきたいと思います。日本は先ほども述べたように相続税対策もあり、現在もなお年間で90万戸以上建てられています。2016年には97万4137戸が建てられています。2016年の出生数が97万6979人なので赤ちゃん1人に対して一戸、建てられているんですね。人口が増加傾向にあった高度経済成長時代には住宅を必要としており、空き家率も2%代と低かったため、住宅着工件数が多くても問題はなかったのでしょう。ですが現在の空き家率から考えるとすでに住宅は飽和状態です。まさに供給過多の異常事態であると思います。それでもなお、相続税対策などといって収益マンションなどを建て続ける神経が信じられません。

驚異的なスピードで伸びる空き家率

異常なまでの着工件数と同時に空き家率もまた驚異的なスピードで増加しています。日本は年々空き家の数は増え続け、現在は13.5%が空き家となっています。2033年には空き家が2000万件を超え、空き家率は30%を上回るという予想も出ています。10件に3件が空き家となってしまう時代がすぐそこまで来ているのです。そのころには不動産の価格はどうなっているのかはおおよそ想像ができるのではないかと思います。

世界との比較

日本は明らかに新しい住宅を建てすぎています。実際、世界の人口と住宅着工件数を調べてみるといかに異常な数値で住宅着工件数が継続しているのかがよくわかります。
 人口住宅着工件数空家率
日本1億2700万人約97万戸13.5%
アメリカ3億2300万人約120万戸約11%
ドイツ8267万人約25万戸約1%
フランス6690万人約30万戸約6%
イギリス6564万人約13万戸約2.6%
オーストラリア2413万人約23万戸約2.5%
日本に最も近い着工件数を誇るのは人口が約2.6倍のアメリカです。アメリカはまだ増加傾向にある反面日本は間もなく減少に転じてしまいます。先のことを考えた場合、人口の差は2.6倍程度ではないのです。また、人口が2.6倍も差があるのに住宅着工件数は約1.25倍と大きな差がない状況です。しかも時代によってはアメリカよりも住宅着工件数が多い時期などもあり、均衡していた時期もありました。経済中心のアメリカと比べても日本の住宅着工件数の多さは異彩を放っています。
空き家率は住宅着工件数を抑えている欧州諸国と比べると圧倒的に高い状況です。人口は同一と近いのですが、住宅着工件数はアメリカに近く、空き家率は日本が最も高い状況となっています。ですが今でもなお住宅着工件数はアメリカ寄りです。本当はイギリスぐらいがっつりと住宅着工件数を落とさないといけないんではないかと思います。

なぜ日本では住宅着工件数が落ちないのか

日本でここまで空き家率が高く、住宅着工件数が落ちないのかというとそれは日本特有の不動産市場にあります。
日本では圧倒的に新築不動産の人気が高く、プレミア価格で販売されています。一方で中古住宅は徹底的に人気がなく、住宅市場のわずか15%前後しかシェアがありません。
一方アメリカでは中古住宅販売件数が500万件を超えるており住宅販売のシェアとしても77%もの販売件数となっています。日本の市場規模の10倍もの取引が中古住宅市場で行われているのです。
アメリカだけでなく住宅着工がほとんどないイギリスでは9割のシェアを担っていますし、そのほかの国でも活発に中古住宅の売買は行われているのです。

なぜ日本では中古住宅市場が伸びないのか

ではなぜ中古住宅市場が伸びないのかはこの数字を見るとわかってもらえるのではないかと思います。

住宅の代替り周期

  • イギリス:141年
  • アメリカ:103年
  • フランス:86年
  • ドイツ:79年
  • 日本:30年
日本の建物の立て替え周期は欧米諸国と比べると圧倒的に短いのです。立て替え周期が短いというのは寿命が短いとも取れると思います。日本の建物は30年も住むとリフォームや建て替えが必要となるため、建物の価値はあっという間に下落してしまうのです。マンションの平均寿命もさほど長くはありません。最近日本で一番古いマンション『 宮益坂ビルディング 』は築63年にして老朽化により解体されました。。
それに比べて世界の建物は素晴らしいですね。イギリスに至っては明治時代以前に建てられた建物がバリバリの現役としえて利用されているということです。日本はわずか3分の1、4分の1程度の住宅としての寿命がないのです。
わずか30年の寿命しかないと考えれば、新築で1年でも長く住み続けられる方がいいと考えてしまうのも無理はないのではないでしょうか。
参考サイト
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