争いの絶えない相続問題

現在の相続を語るときぼくは必ずと言っていいほど『たわけ者』という言葉が常に頭に浮かびます。
『たわけ者』というのは決して賞賛されて使われる言葉ではありません。
たわけ者とはふざけたことをする、ばかなことをすることを意味する言葉で時代劇でよく見かける表現ですよね。



たわけ者の語源

『たわけ者』とは漢字では『戯け者』と書きます。『戯く』の連用形が名詞になったものというのが最も有力な説です。
また、『田分け』から来ており、子供の人数で田んぼを分けてしまう結果、家系が衰退していく様子を指して『たわけ者』となったという説もあります。ですが、こちらは俗説らしく正しくは『戯け者』のようです。
ぼくは子供の頃学校の先生に俗説を語源として教えてもらった記憶があります。学校の先生もいい加減なことを教えますよね。学校の先生のせいで『たわけ者』の語源はずーっと田分けからきているものと思っていました。
ちなみに『田分け』は江戸時代、『戯け』は奈良時代から使われているようです。
実際の語源が『戯く』からきていたとしても昔の人は『田分け』もまた愚かな行為だと思っていたことに違いないでしょう。 今回はずっと本来の語源と信じていた『田分け者』で話をさせてもらいます。

従来の相続では家が大事だった

現在のような平等な相続が主となったのは戦後すぐのことで現在の相続制度となってのは昭和56年のことです。それまでは江戸時代に『田分け者』と利用されたことからも分かるように平等な相続が原則ではなく家督を単独で相続するというのが原則だったようですね。明治時代の旧民法かでは家督相続は生きており、古い戸籍だと、家督相続の記録を確認することが出来ます。
家柄を大事にしていた武家の考えが強く残っていたのかもしれませんね。

現在の相続は『田分け者』

今の民法では相続は平等が原則に分けることが定められています。それがたとえ不動産であろうが、預金であろうが、株式であろうが遺言などがない限り、平等に相続できる権利があるのです。
これはまさにご先祖様が批判してきた『田分け』な行為なのです。戦前までは家柄が大事でしたが、それが少しづつ変化して、今は個人の権利が重要となってきました。婚外子の相続割合についての違憲判決はその典型だと思います。

さらにきつい遺留分減殺請求権

さらに厳しい法律が遺留分減殺請求権です。遺留分減殺請求権もまた相続人保護の観点から作られており、ある一定の割合については遺留分が認められ、妻や子などの相続人は相続財産を得る権利が守られているのです。

例えば子供がA、B、Cの3人である場合のケースで『Aにすべて相続させる』といった内容の遺言書があったとしてもBとCには遺留分減殺請求権が発生し相続財産の6分の1ずつは遺留分として確保ができるのです。例えBやCと音信不通になっており、Aが世話をしていたとしても相続できる財産があれば遺留分を主張することができてしまいます。これはBやCが亡くなっていたとしてもその子供は相続人の地位を代襲して遺留分を行使することができます。例え顔すら見たことがないような状態であっても、親族関係があれば請求することができる権利なのです。

赤の他人が相続人!?

現在の平等意識には少し疑問を感じることも少なくはありません。なぜかというと実際、一切面識のない人間が相続人となるケースが起こり得ているからです。法律が親族を形式的に扱ってしまっているがために、赤の他人と話し合いをすることが必要となるケースも少なくないのです。
例えば親に離婚歴などがあれば要注意です。自分が死んだとき、自分の配偶者(夫か妻)と全く面識のない異母兄弟で話し合いをしなければならないこともあり得ます。
相続のたなぼた話というのがあるのはこういった妙な平等意識で構成された現在の法律が原因なのです。

代替わりが進み調停が増えている

最近家督相続という感覚もすっかりと薄れ、個人の権利をきちんと求めていくことができる時代となりました。個人的には裁判所で行われる遺産分割調停の数は右肩上がりに増えていることと因果関係があると思っています。
現在の法律の下で行われる相続は、個人間での話し合いでは解決ができない殺伐としてものとなってきているのです。

まとめ

先人の知恵を大事にしろと言いますが、相続に関して言えば先人の知恵はほぼ無視されてしまっていますね。
今は家よりも個人の人権を守ることに重きを置かれています。ですが、現在は個人の権利が大事にされすぎていて守る必要のない人までが守られることとなってしまい無駄な調停が行われているのも事実でしょう。
法律だから主張して当然の権利とは思いつつも、裁判所や弁護士なんかに頼らずに解決できるようにする方法を探ることも重要なのではないかと思っています。
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