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公務員の兼業禁止に思うこと

夫婦で賃貸アパートを新築し、年間1100万円程度の賃料収入を得る計画を立てた男性裁判官が許可を求めたのに対し、最高裁が「不許可」とする裁決をしていたことが1日、最高裁への取材で分かった。職務以外での高額な収入が見込まれるため「最も公正かつ廉潔であることが求められる裁判官には認められない」と判断した。

消防士に続いて裁判官もまた不動産収入はダメという採決が出てしまいました。
消防士の場合7000万円の家賃収入を500万円まで落とせというかなり無茶苦茶な要求をされて、拒否した結果懲戒免職と非常に重い処分になったということです。
今回も兼業の許可申請を行い却下されています。

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却下となったポイント

裁決書などによると、この裁判官は平成27年9月ごろ、妻とともに約1億3千万円を銀行から借り入れ、自己所有の土地に鉄骨3階建て12室のアパートを新築、不動産会社に30年間貸し付ける計画を立てた。想定賃料は年に約1100万円で、借入金の返済を除いても年約500万円の利益が出る計算だった。
裁判所法は、裁判官の金銭を目的としたビジネスや、最高裁が許可していない兼業を禁じている。裁判官は計画の許可を求めたが最高裁は認めなかった。

今回のポイントはおそらく借り入れをして収益物件を建てたということだと思います。そして借り入れができたのも裁判官としての収入があったからできたのではないかと思います。妻だけでは借り入れができなかったため夫婦で連帯債務を負ったのかなと思います。
最高裁は「経済的利益の追求以外にアパート経営の必要性や目的がない」としており、アパート経営に対しての積極的な取り組みが却下理由となったようですね。

裁判官もお金持ちは儲けてオッケー

一方で相続した不動産から得られる家賃収入には寛大のようで、基本的には許可申請で却下されることはないようです。数年間のうちで許可されなかったのはこの一件だけなのだそうです。
この件の記事を読む限り、自分で頑張って稼いだお金や借金で不動産経営をすることはアウトで、たまぼたの不動産から得られる家賃収入はオッケーということのようですね。
お金持ちの遺産相続した財産での資産運用はオッケーで、借り入れを伴うお金のない人の資産運用に制限がかけられているというのは何とも不平等だと感じてしまいます。

なぜか株式投資は大丈夫

なぜか公務員って株式投資は問題ないんですね。裁判官も株式投資どうやら行っても問題ないようです。
不動産投資はなんやかんやとややこしい規約があるのに対して株式投資は大丈夫らしいです。不動産投資も株式投資も「経済的利益の追求」ですよね。何が違うんでしょう。

兼業と資産運用

資産運用は兼業に当たるのでしょうか。僕は不動産投資や株式投資、投資信託などは全て資産運用の域にあると思っています。たしかに不動産投資については自分で管理していれば兼業と捉えられても仕方がないでしょうが、管理会社に委託をしていれば兼業とは言い難いと思います。
もし不動産の家賃収入が兼業に位置するのであれば、投資信託であるREITもアウトなんでしょうか。REITは間接的であっても不動産収入を得ているのだからアウトとしなければならないでしょう。

投資信託は『経済的利益の追求』にあたるのでやってる全面禁止としないといけませんね。

兼業ルールは見直しが必要ではないか

僕は公務員でないですし、小さな会社に勤めているため兼業し放題です。
自由な身から公務員に対する制限を見ると時代遅れのような気がしてしまいます。水商売が許されないのはわかりますが、資産運用の範囲まで口出しするのは少し行き過ぎではないかと思います。
ソフトバンクも副業を了承しましたし、今後は大企業も副業を許す流れになるのではないかと思います。このままだと優秀な人材が公務員になりたがらないのではないかとさえ思います。

国会議員、地方議員には副業禁止規定はない

そもそも国会議員や地方議員は兼務という形で本業という扱いにはなりません。そもそも本業でないのに副業という考えがないのです。だから高い報酬をもらいながら不動産収入をたくさん得られるのです。
公務員は兼業できなくて議員兼業し放題というのは納得いくものではないですね。

まとめ

公務員だけにとどまらず兼業、副業ルールは一度見直しをした方がいいでしょう。

考え方によってはお給料に頼らない方が正しい判断ができることだってあると思います。給料に頼るからこそ正しいことができないことがあると思うんですよね。副業=企業にとって悪というのはあまり正しくないんじゃないかなと思います。