『ずる 嘘とごまかしの行動経済学』を読んだ感想

『「学力」の経済学』で紹介されていた本で『ずる 嘘とごまかしの行動経済学』というものがありました。気になったので読んでみたんですが、かなり面白い本でした。

『「学力」の経済学』もかなりおススメの本ですが、こちらもまたおススメです。



著者

著者は行動経済学・心理学の教授であるダン・アリエリーです。

自身のひどい火傷での入院生活で経験したことをきっかけに『不合理な行動』について興味を持ったのだそうです。

『予想通りに不合理』や『不合理だからすべてうまくいく』の著者でもあり、とても有名な方らしいですが、僕は初めて知りました。

TEDで行われた講演の動画再生回数は300万回近くにも上り、非常に高い人気を誇っています。実際に観てみましたがすごく面白いです。

2008年には高価な偽薬は安価な偽薬よりも効果があることを示してイグノーベル医学賞を受賞していたり、かなり面白い発表をされている方です。

様々な「ずる」の検証

この本では人が行う不正、ごまかしなどの「ずる」について書かれた本です。

この本では「ずる」いろんな角度から「ずる」や「ごまかし」についての検証を行っています。大きな「ずる」はしないけどみんなちょっとずつ「ずる」をするし、状況に応じても「ずる」をするしないは大きく異なると考えています。

例えば、「人が 特定の種類の活動を行なうときに、道徳規範を緩めやすい可能性」を仮定して、どのような場合にどのような「ずる」や「ごまかし」が行われるのか検証しています。

その中で現金をトークン(代用硬貨)に変えるだけでも不正は増えてしまうことを指摘しています。金銭でないものは本物の金銭よりも不正をしやすいということは、キャッシュレス化が進むと道徳観が薄れてしまうのではないかと考えているようです。

たしかに日本でも法務局の事務官が収入印紙を4億円も着服していたというニュースがありましたが、現金ではここまでの着服金額にはならなかったかもしれませんね。

この本ではこのほか以外にも様々なパターンの「ずる」を検証しています。読んでいて非常に興味深かったです。

特に面白かった話

中でもすごく面白かったのは、偽物のブランドを身につけると道徳的な抑制力が弱まって不正をしやすくなるという話です。

ブランド物のサングラスを「本物」「偽物」「情報なし」の3つの条件下で女子学生にかけてもらい、どのような影響を与えるかを調べた結果、「偽物」をつけた女子学生が「本物」「情報なし」の女子学生よりも圧倒的に不正が多かったというのです。

さらに一度ごまかしをしてしまうと「どうにでもなれ」と更に不正の量が増えていったというのです。

偽物のブランド品を持つことで想像もしない悪影響が出てしまうという話は非常に興味深かったです。

もう一つ面白かったのは利益相反は人の目を曇らせるというものです。

数十枚ある絵画のうち一部の絵画をスポンサーの画廊のものとして掲示して絵画を評価してもらうという実験をおこなっているのですが、スポンサー画廊の絵画をより好意的に評価したというのです。

この結果から恩義を受けると、偏愛するようになると結論づけています。

これは医師、金融、法律などの様々な業界でも確認されているようです。

終わりに

「ずる」や「ごまかし」をこのような形で分析した本は初めて読みました。

おもしろい側面から物事を考える方の本はやっぱり面白いです。

ちなみに今は『予想通りに不合理』を読んでいますが、こちらもまた面白いので後々ブログに書こうと思います。

他にもいろいろ本は読んでいるんですが、ばたばたとしていてブログに書くところまでいけていません。ちょっとエンジンかけてたくさんの本を紹介していきたいと思います。

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