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住宅ローンが下がると同時に起こった現象

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住宅ローンの金利がとことんまで落ちた

ここ1年ほどの住宅ローンの金利は異常なまでに下がっています。結果最近はマイナス金利の影響で低金利に拍車が掛かると同時に銀行間での過剰な金利引下げ競争から、ついに銀行も悲鳴を上げだしている状態です。実際住宅ローンから撤退する銀行もちらほら出てきています。今後も銀行の住宅ローンの撤退などの状況は加速するのではないかと思います。

10年固定で0.5%というのをみて驚いた

低金利は明らかに不動産の住宅市場に大きな影響を与えています。本当に最近は異常なまでの低金利で、今借りるのは得であるような気さえしてしまいます。
今年の初め頃にとある人から10年固定で0.5%というあり得ない金利を聞きました。最近になって撤退のニュースが流れていることを考えると、度を越した低金利戦争は銀行自らのクビをしめる結果となったのだと思います。

金利が安くなると返済総額は減る

金利が下がれば支払額の総額は大きく減少します。下の図は一例ですが、3000万円を35年ローンで組んだ場合を想定して計算をしています。わかりやすいように35年間金利を固定した物を掲載しました。
『ローン#1』を0.5%として2から4まで0.5%ずつ金利を上昇させています。借入額が3000万円に対して金利の差だけで総支払額は900万円もの差がつくほど金利というのは重要になります。たかだか1.5%で借入額の約3分の1も多く支払わなければならないのです。
毎月の返済額をみても0.5%の場合は77000円で済むのに対して2%である場合99000円と2万円以上も多く支払わなければなりません。同じ額を借りているのに2万円も違えば生活に影響が出てくるのは間違いありません。

ローン元金

年利

期間(月数)

毎月の返済額

支払利息

支払総額

ローン #1

¥30,000,000

0.50%

420

¥77,876

¥2,707,757

¥32,707,757

ローン #2

¥30,000,000

1.00%

420

¥84,686

¥5,567,998

¥35,567,998

ローン #3

¥30,000,000

1.50%

420

¥91,855

¥8,579,239

¥38,579,239

ローン #4

¥30,000,000

2.00%

420

¥99,379

¥11,739,109

¥41,739,109

金利低下と同時に起こった不動産価格の高騰

金利が安くなることで最終的な支払額は大きく変わります。低金利はまさに住宅ローンにとって追い風のような気がすると思います。ですが、なかなかそうとも言いきれないと僕は思っています。なぜならば、住宅ローンの金利が安くなるのと比例して住宅価格が異様に高騰しているような気がするのです。公示地価の推移をみてもなだらかではありますが、右肩上がりの傾向にあります。公示地価でも上昇傾向がみられるので、少し人気のある住宅地は更に価格が高騰しているのだと思います。
せっかく低金利で借りられて得をしていると思っていても本体価格が値上がりしてしまっていれば元も子もありません。結局支払金額は増加してしまうのです。

元本増加=金利動向リスクの増加

本体価格(借入金額)が高いというのは金利が高い時期に購入しているよりも大きな危険を含んでいます。現在は金利が安いため、支払金額もその分安いため比較的ラクに返済をすることができます。ですが、今後の金利動向によっては支払金額は大きく変わってしまいます。
金利動向の影響をうけやすさは元本の大小が大きく関係しています。3000万円の住宅ローンでも月々2万円以上の差があるのですが、最近の住宅ローンはそれ以上に多く借りられているようですので、月々の支払いに対する影響はさらに大きなものになるのではないかと思います。

マイナス金利、金融緩和はいつまでも続くのか

個人的には金利が上昇していく可能性というのはかなり高いのではないかと思っています。すでにメガバンクですら悲鳴を上げているのに、このままの状態が続くといずれ倒産する銀行も出てくると思います。
今後月々の支払額が増えることはあっても減ることはないのでしょう。本当に金利の底は打ったのではないかと思います。

景気が良くなると給料は上がるのか?

金利が上昇していくということは景気が良くなっているということだし、支払いには困らないはずだという指摘もあるのではないかと思います。
ですが今も実際、随分と景気は回復傾向なのにもかかわらず、給料には反映されていません。つまり、給料は景気の動向に即座には反応してくれないのです。
景気が回復に向かっても給料として反映されるのは最後の最後なのです。

まとめ

不動産価格が高騰しているのは不動産価値が高まっているのではなくて、金利が下がっている影響が大きいのではないかと思っています。
人口増加など不動産価値が高まる期待が出ない以上は金利が安かろうが、とてもではないですが手が出ません。
今が買い時と考えている方も少し立ち止まって買おうとしている物件の周囲の価格推移を確かめてみるほうが良いかもしれません。