不動産

不動産の相続(名義変更)って何からすればいいの?

初めて相続を経験して、なにから手をつけていいのかわからないという方も多いと思います。

高齢化が進んでいますが、その先には多くの相続が発生します。財産が少ないとついつい放置してしまいがちですが、放置することはあまりおすすめできません。

今回は不動産の相続についてご紹介したいと思います。

不動産登記(相続登記)が必要

不動産を相続した場合、不動産登記が必要となります。

不動産登記とは所有者や担保などを公示する制度で、誰でも手数料を払えば登記された情報を確認することができます。

不動産登記は法務局に必要書類と申請書を提出することで登記官が審査をし問題がなければ、登記が反映されます。

相続登記については、近年、登記を放置する事例が多数発生していて、登記の義務化を法律に盛り込もうという動きもあります。

まだまだ内容が明らかにはなっていませんが、調べて出てくる情報を見る限り専門家との意見交換が十分にされているのかは疑問が残ります。

ただ、相続登記の義務化の話が進む可能性は非常に高いと考えています。

相続登記に必要なこと

相続登記を申請する前にしなければならないことがいくつかあります。

  1. 相続財産である不動産の情報を入手しよう
  2. 遺言書がないかチェックしよう
  3. 戸籍などの必要書類を集めよう
  4. 誰が相続するのか話し合いをしよう
  5. 話し合いの結果を書面に書こう

これらのチェックを行なって初めて相続の登記申請をすることができます。

不動産の情報を入手しよう

まずは相続財産である、不動産の謄本を法務局で取得しましょう。

所有不動産がわからないという場合は、固定資産税の納税通知書をチェックすることで所有している不動産を確認することができます。

固定資産税の納税通知書は毎年5月頃届いていると思います。ただし、非課税部分については納税通知書に記載がない可能性が高いので注意が必要です。

非課税の不動産とは前面の道路部分など所有している場合などです。

分譲地などの場合は道路部分を共有で所有することがあります。

こう言った場合、建物が立っている土地と前面道路部分の土地は別の謄本を取得する必要が出てきます。

道路部分の登記はプロでもたまに抜け落ちていることがありますので、注意してください。

所有不動産を確認する方法としては納税通知書の他に権利書なども確認できますので、遺産の整理をする際に権利書の有無を確認しておくことをおすすめします。

ちなみに謄本はどこの法務局でも取得が可能です。大阪の不動産も東京の法務局で取得することが可能です。

また、インターネットでも謄本と同じ情報を取得することができます。

⇒『不動産登記事項証明書(不動産謄本)の手数料は?どこで取得できるの?

遺言書がないかチェックしよう

次に重要なのが遺言書があるかないかです。

ある場合は、遺言書通りの財産を取得することとなりますが、なければ法律で定められた持分又は相続人間の話し合いで取得する割合を決めなければなりません。

遺言書は大きく分けて公正証書遺言と自筆証書遺言があります。(その他にも遺言の種類はありますが今回は割愛して説明します)

自筆証書遺言は自筆による本人のみで作成できる遺言書です。

ただ、誤りや記載内容が不正確なものも多く、使用できないケースも少なくありません。

また、令和2年7月10日より自筆証書遺言の保管制度が始まりますので、また詳細について書かせていただきたいと思います。

公正証書遺言は公証人役場で保管される遺言となります。

非常に確実性の高い遺言が作られるため、財産が複雑である場合などは公正証書遺言を残しておく方が良いでしょう。

こちらについても詳細は別途書きたいと思います。

自筆証書の場合は遺産整理をしている最中に発見されることもありますが、稀に発見されずに協議をしてしまうということもありますので注意が必要です。

公正証書の場合は公証役場で原本が保管されており、公証役場で遺言検索システムなるものがあるので公証役場で遺言の有無は確認することができます。

まだまだ遺言書を作っているというケースは少ないのですが、最近は徐々に終活ブームもあり、遺言書があるというケースも増えてきています。

今後はさらに増えていくことが予想されますおので、注意が必要です。

特にこれからは法務局で始まる保管サービスを利用した自筆証書遺言が増えるのではないかと思っています。

戸籍など必要書類を集めよう

次に相続登記をする際に必要なものは、戸籍謄本や住民票、除票などが必要となってきます。

基本的には亡くなった方の出生から死亡までの戸籍と住民票の除票、相続人の戸籍と住民票が必要となってきます。

ただし、遺言がある場合や相続人のうちの1人が相続するように話し合いをした場合(遺産分割協議をした場合)などは必要な戸籍や住民票などが異なってきますので注意が必要です。

また、遺産分割協議をした場合は印鑑証明書も合わせて準備をする必要がありますので注意が必要です。

戸籍は本籍地をおいた地で取得でき、住民票は住民登録をしている地で取得することができます

本籍地は田舎の実家近辺にしているというケースも珍しくないので、取得までに時間がかかることが多いです。

そのほかにも、不動産の評価証明書なども必要となってくるので、相続登記をする際に時間のかかるところだと認識していただければと思います。

書類を集めるのに、どれくらい時間がかかるかという質問をよくされますが、一概には答えられないのが正直なところです。

早ければ1週間もすれば書類が揃いますし、時間がかかる時は2ヶ月以上時間がかかることだってあります。

また、市区町村によってはこちらから発送し、返送まで1週間以上かかるところもあります。

誰が相続するのか話し合いをしよう

遺言がない場合、法律で決められてた相続分で相続をするのか、異なる持分で相続をするのかを話し合いをする必要があります。

法律で決められた持分で不動産を相続すると、持分を共有して所有することになってしまうのであまり行われていませんし、専門家もお勧めしないことが多いです。

平等に分けるとしても、現預金や不動産、証券など全ての資産価値を計算して平等に分けるということをすることが多いです。

一般的には不動産は配偶者などの居住者が相続することが多いですが、ルールとしては決まっているわけではありません。

親族間の仲が悪く、話し合いがまとまらないということも少なくないケースですので、話し合いをするときは感情的にならないように注意しましょう。

話し合いの結果を書面に書こう

話し合いがきちんとまとまると書面にしていく必要があります。

この相続について話し合いで相続の内容を決めて作成する書面を「遺産分割協議書」と言います。

「遺産分割協議書」は相続人全員の印鑑が必要となってきますが、全員実印をおして印鑑証明書を準備しておく必要があります。

遺言書がある場合や法律で定められた持分で登記をする場合は遺産分割協議書は不要ですが、話し合いをして持分が異なる登記をする場合は遺産分割競技者は必要となります。

注意すべき点は、現預金、不動産などの相続財産を資産価値的には平等に分けていたとしても不動産に関して法律に定められた持分以外で登記をする場合は遺産分割協議書が必要です

例えば、現金1000万円、不動産1000万円を母と子で分ける場合、不動産を母、現金を子が相続するとした場合は不動産は母一人の名前で登記することとなるため、遺産分割協議書を作成する必要があります。

お勧めしない相続登記

不動産の相続をする際、できる限り少人数不動産の所有者となるように不動産の登記をすることをお勧めしています

3人よりも2人、2人よりも1人を相続人として登記をすることをお勧めしています。

たまに法律で定められた相続人で共有の登記をする場合すれば用意する書類が少なくて済むので楽だと考えられる方もいますが、不動産を共有で持つと様々な問題が起こる可能性があります。

一つあげられるのはさらに相続が発生した場合に他人同士が不動産を相続してしまうということです。

兄弟で共有する場合は問題がなかっても、兄弟の子供、そのまた子供、子供の配偶者となっていくと親戚関係も薄くなり話し合いが非常に困難になってしまうことも少なくないのです。

中には音信不通でなかなか連絡すら取れないということもあり、一つの不動産を処分するにも多大な時間と手間がかかってしまうのです。

また、二人以上で不動産を所有する場合は売却も全員で行うこととなって手間がかかってしまいます。

別の機会に共有のリスクは具体例を挙げてご紹介したいと思います。

終わりに

いかがだったでしょうか。相続は専門家に頼まずに行うことも可能な場合も多々あります。

費用対効果としては司法書士に頼む方が良いとは思いますが、ご自身でチャレンジするのも経験値にはなると思うので、挑戦してみるのもいいと思います

ただ、複数人相続人が発生すると言った場合や、戸籍が非常に複雑で収集に苦労すると言った場合は司法書士に依頼する方がいいと思います。

特に兄弟姉妹が相続人となる場合は、非常に面倒なケースが多いので専門家に依頼する方が間違いはないでしょう。

ネットだけだとどうしてもイメージが掴めないでしょうから、一度法務局に相談に行くのも良いと思います。