いよいよ所有者不明土地が深刻化してきており、国も次々に対策を打つだろうと予想されます。その一つと考えられる新しい法律を作る案が浮上しているようです。
長期にわたり登記されず所有者が不明になっている土地の問題について、今年の国会に解消の第一歩となる新法が提出される見通しだ。新法の中に盛り込まれるのが、法務局・地方法務局にいる登記官が、所有者不明土地の相続人を調査できるようにする制度。
個人的にはずっと気になっているテーマで新聞等には敏感に反応してしまいます。所有者不明不動産については以前から何度かブログでも書かせてもらっています。
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所有者不明土地とは?
所有者不明土地とは名前の通り所有者がわからない土地のことを言います。所有者が生存しているかどうかもわからない土地だけでなく、登記簿上の所有者が把握できても、連絡が取れない土地を指します。
国交省の書類には『不動産登記簿等の所有者台帳により、所有者が直ちに判明しない、又は判明しても所有者 に連絡がつかない土地』と定義づけられています。
登記は実体を表していない
登記は現実の所有者を反映したものではありません。特別な罰則規定もなければ、今までは放置していても登記を促すことさえ怠っていました。
登記を放置していても大きな問題が発生するということがないのです。
新法設立?
流石に国も所有者不明の土地の面積が九州を超えていると言うことに危機感があるようで対応に乗り出しています。
今回はその一つとして新法を作ろうと言う動きになっていると言うことです。
新法の中身には『法務局・地方法務局にいる登記官が、所有者不明土地の相続人を調査できるようにする制度』を盛り込むようです。
登記官は登記を促すことができるようになるため、ある日突然法務局から相続人に登記してくださいねという連絡がいく可能性があるということです。
ほぼ効果なしだと思う理由
おそらくこれはほとんど効果がないと思います。相続人は登記を忘れているわけではなく、そもそも登記をする気がないんじゃないかと思います。登記忘れが発生してあるのであれば効果はあるでしょうが、所有者不明土地の殆どが登記忘れということはないでしょう。
登記をしなくても何も困らないわけですから、登記をする必要性というのはないんですよね。
登記官に促されたところで、『だから何?』って感じじゃないでしょうか。
役所の連携が重要
僕は市役所や区役所と法務局で連携が取れていないのがとても気になります。
市役所や区役所は固定資産税の台帳や戸籍の届け出で現在の納税者や相続が発生したことを確認できるでしょうから、その情報を法務局と共有するだけでも所有者不明土地一定の数を減らすことは可能だと思います。
また、連携を強化することで登記を促す効果も新法よりも高いのではないかと思います。
手続きをきちんと行うべき
まずは役所が労力がかかっても差押え、競売などを迅速に行うべきです。費用と見合わないということで動かないことが多いと聞いたことがありますが、役所には損得勘定で動くべきではないと思います。
まとめ
最近は登記の義務化をしろとか、新法を作るだとか対策案があまりにも安易だと思います。
増え続ける所有者不明土地が問題になっている割には対策はのんびりしているなと言う印象です。このままだと歯止めをかけることは難しいと思います。
そもそも所有者が大蔵省で放置されている実態があることを考えると、国民ばかりに推進を図る姿勢もいかがなものかと思います。