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【日本・アメリカ・欧州】の個人の金融資産を調べた結果、驚くべきことが判明

管理人

日本人は現預金の保有率が高いというのはなんとなく想像できましたが、実際に数字としてどれくらい多いのかを調べたことはありませんでした。今回は個人資産にスポットを当ててご紹介したいと思います。

2017年8月に日本銀行統計調査局が『資金循環の日米欧比較』を発表しました。

その中でも金融資産構成についてのグラフが掲載されていましたが、日米欧で驚くほどに異なる資産構成となっていました。

今回はどのような結果が出ていたのかをご紹介したいと思います。

先進国の金融資産状況の比較

 現金・預金債務証券投資信託株式等保険・年金・定型保証その他
ユーロエリア33.2%3.2%9.2%18.2%3.4%2.3%
アメリカ13.4%5.6%1.1%35.8%31.2%2.9%
日本51.5%1.4%5.4%10%28.8%2.9%

日本、アメリカ、ユーロエリアの3つに分けて個人資産の中でも金融資産をグラフにしたものです。

それぞれ全く違った割合となっているのはとても興味深かったです。

ひと目見て日本はアメリカや欧州に比べて極端に減預金比率が高いことがわかります。

貯金大好き日本人

アメリカの現預金での構成比率が13.4%であるのに対して、日本人は金融資産の中でなんと51.5%も現預金で構成しています。

アメリカのなんと4倍近くも現金で保有する比率が高くなっています。

欧州も日本よりも現預金率は20%近くも低く、程よく現預金を保有していると言えると思います。

アメリカは極端に投資に回しすぎだとは思いますが、日本人は極端に現預金で保有しすぎていると思います。

そのかわり日本はリスク資産と呼ばれる株式や投資信託の割合が圧倒的に少ないです。2つを足してもわずか15%程しかありません。

一方でユーロエリアは非常にバランスよく保有しています。現預金33%に対してリスク資産28%というのは分散投資を意識してのことなんだろうなと推測できます。

この3つの比較の結果は、日本人が投資を好まないことを明確に表している結果だと言える結果ではないでしょうか。

原因はバブルの崩壊?デフレ経済?

なぜここまで現預金で保有するのかを考えた時、一番最初に頭に浮かんだのはバブルの崩壊ではないでしょうか。

日本はバブル崩壊を経験してしまい、投資に非常に慎重になっているということが考えられると思います。

なおかつ崩壊以降、超長期的にデフレが続いています。

デフレとは、物に対して貨幣の価値が上がる状態を指します。100円が将来、100円以上の価値のものとして使用することができます。

インフレとは年々価格が上昇していくため、通貨の価値は徐々に下がってしまうことを指します。インフレが続けば、貨幣の価値は下がり現在の100円の価値は将来100円の価値がなくなってしまうのです。

私はこのデフレやバブル崩壊が原因で日本は投資をしないのではないかと考えたのですが、実際はそうでもないようです。

日本人の現預金比率はバブル前後で大きな変化はありません。日本人にとって昔から現預金で保有するというのが当たり前なのです。

つまり現預金が多いのはデフレマインドやバブル崩壊のせいではなく本質的に現預金好きということのようですね。

家計所得

日本では金融資産構成の半分を現預金で持っているため、財産所得は伸びません。

財産所得というのは地代や利子、配当などの所得を言います。不動産所得や株式配当などいわゆる不労所得はこれに当たります。

しかも給与所得も若干上昇はしているものの横ばいのため、家計所得の伸びは一向に感じることができません。

景気の回復期間としては『いざなぎ景気』を超えたという報道もされていますが、家計所得は横ばいなので、一般の国民が景気回復を実感できないのは当然のことでしょう。

政府の意向

政府としては今後、リスク資産の割合を増加させていきたいと考えているのだと思います。

現預金の割合が高いことは経済にとってはよくないことなので、できるだけリスク資産へと誘導したいのだと思います。

たとえばNISAなどはその一例です。

NISAとは株や投資信託の運用益に対して税金をかけない特別な口座のことです。上限は年間120万円で最大5年間利用することができます。

来年からは年間40万円で最大20年間も非課税を受けることができる積立NISAも始まり、ますます投資を促す勢いは加速していくでしょう。

無制限に非課税というわけではありませんが、金融資産の半分以上を占める現預金をなんとか引きだしたいと考えているのでしょう。

そのほかにも確定拠出型年金など、税制優遇を取ることでリスク資産の保有率を増やしていこうとしています。

現預金のみでの保有はリスクあり

日本人は現金主義であるのは過去の統計からも明らかなことです。

おそらく多くの人は投資をして失敗したらお金が減ってしまうリスクを怖がっているのだと思います。

ですが、現預金でのみ金融資産を保有することもリスクが高いことなのです。

どういうことかというと、現預金はインフレが起こると、資産が目減りしてしまうのです。

例えば今年1個100円で買えていたとしても、来年には1個103円2年後には106円と徐々にリンゴの価格が高くなってしまうのです。

安倍政権は物価上昇率2%達成を目標にしています。政府はある程度のインフレを起こしたいと考えているのです。

日本円は政府がたくさんお札をすれば価値が落ちてしまいます。政府はデフレ脱却を謳っているので、インフレ傾向になる可能性が非常に高いのです。

このままデフレ経済が続いてくれない限り、現預金で持つメリットはないのですが、今後も永続的にデフレが続くとは考えにくいのではないかと思います。

終わりに

金融資産を見るだけでその国の性格がある程度わかってしまいます。

アメリカはリスクを顧みず、ガンガン投資するし、欧州はとてもバランスよく資産構成しています。

日本は非常に慎重で、投資には非常に消極的であるという結果でした。

日本は金融教育が行き届いていないため、現預金の保有リスクをきちんと理解している人も少ないのではないかと思います。