司法書士

司法書士業界の残業が多い理由

意外と知られていませんが、司法書士は残業の多い仕事です。

私の場合は、一つ目はそうでもありませんでしたが、二つ目の事務所は毎日21時頃まで仕事をしていました。

大体50〜60時間は残業をしていましたが、まだマシな方だと思います。

働き方改革が叫ばれる現在でも、月に100時間を超えて残業しているという人を何人も知っています。

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残業が多くなってしまう理由

残業が多くなってしまうのにはいくつか理由があります。

私が思う司法書士の業界が残業が多い理由は以下の通りです。

  • 体質が古い
  • 書類作成が夕方以降になる
  • 資格の性質上面談が必須
  • 仕事の内容が非常に細かい

では一つずつ解説いきたいと思います。

体質が古い

司法書士業界は大きな組織が少ないため、ワンマントップの経営がまかり通っています。

つまり、いまだにトップは残業して当たり前だと思う人が非常に多いのです。

事務所に所属するときも雇用契約書を交わしていないというケースも少なくありません。

私も一つ目の事務所はそうでした。所長自体はすごく良い方でしたが、その辺りはあまりきちんとはされていませんでした。

また、業界的に紙ベースの書類を使用することも少なくないため、書類の準備などにも、とても時間がかかってしまいます。

いまだに銀行や法務局、市役所などとやりとりをする場合はFAXを使用していますからね。

行政が対応が遅いのはわかりますが、銀行はIT化を進めて人員削減しろよって思いますが、まだまだローカルです。

書類作成が夕方になる

私は不動産売買の決済を中心とした事務所で仕事をしていましたが、そういった事務所の場合は昼間は外出し、夕方から書類を作成・チェックするのが当たり前でした。

昼間は基本的に不動産の売買の決済や書類集めに銀行や不動産屋、行政機関などを走り回っていました。

夕方に事務所に帰宅すると、そこからやっと書類の作成などの事務作業に取り掛かります。

書類の作成をするまでに書類をチェックして、登記の構成を考えたりしなければならないし、簡単にさくっと作れるわけではありませんでした。

しかも夕方からは業者から見積もり依頼などもくるので、なかなか作業が進まないという状況でした。

事務所への帰宅が、17時だったとしてもそこから書類作成・チェックや見積り対応などしていればあっという間に21時になってしまうのです。

資格の性質上面談が必須

不動産登記をする場合、登記をする当人の本人確認は必須業務です。

直接会って、免許証などで本人確認をさせてもらい、本当に売ってもいいのか、買ってもいいのかなどを確認しなければなりません。

面談をさせてもらうのも、依頼者の都合に合わせますので、20時に面談ということも少なくありませんでした。

面談自体は30分もかからないのですが、本当に本人が売ろうとしているのか、買おうとしているのかを確認するということはとても大事なことなので司法書士にとっては必須の業務の一つです。

仕事の内容が非常に細かい

司法書士の作る書類は一字一句間違いが許されない中で作成します。

漢字の1字でも間違いがあれば、訂正をするため法務局に赴かなければならいません。

法務局で気がついてくれればいいのですが、中には気付かれず登記が通ってしまうこともあります。

そうなってしまうと法務局は『申請書に書いていた通り登記をしただけなので訂正はできません』と法務局の権限としては訂正をしてくれません。

修正をするためには、再度登記申請する必要が出てくるのです。場合によっては、署名押印をもらうだけでなく、申請人の方に頭を下げて権利書や印鑑証明書を預かって再度申請しなければならないのです。

絶対に間違えてはいけないというプレッシャーは作業速度をとても遅くしてしまっていると思います。

終わりに

司法書士はサイトによっては、残業が少ない職種として紹介されています。

ですが、実態は事務所によってはとても残業が多いです。

『法律関係の仕事なのにその辺はいい加減なの?』と聞かれることも多いですが、非常にいい加減です。

しかも司法書士の業界はまだまだ紙ベースで仕事が多いです。

紙ベースの仕事は整理などにも時間がかかるので、なかなか早く帰ることができないというのが実態です。

ですが、仕事のやり方によっては効率よく仕事をすることができるようになりつつあります。

少しずつではありますが、司法書士の業界も変わりつつあるのではないかと思います。