所有者不明不動産に歯止めをかけるマイナンバーの活用

マイナンバーで市区町村と法務局の連携を図る連携が検討されているというニュースがありました。
少し前の読売新聞の記事(平成30年3月8日付け)になるんですが、気になったニュースだったので少し中身を見てみたいと思います。
 増え続ける所有者不明土地に歯止めをかけるため、政府は登記簿や戸籍などの関連データをマイナンバーで一括管理することを検討している。
 関係する行政機関が土地所有者の死亡情報を共有できるようにして、所有者不明土地につながる相続の登記漏れを防ぐ狙いがある。
 政府は今夏にまとめる「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太の方針)にそうした方針を盛り込み、早ければ来年の通常国会にマイナンバー法改正案などを提出したい考えだ。
 今の制度は土地所有者に登記を義務付けていないうえ、登記簿を管理する法務局は遺族が死亡を届け出る自治体と情報を共有できていない。遺族らが煩雑な手続きを嫌がって相続登記を行わないと、所有者不明土地となりやすい。
読売新聞



所有者不明不動産はそもそも行政の責任も大きい

以前にも指摘したことがあるのですが、所有者不明不動産があるのは行政の責任も大きいと思います。

⇒『日経新聞が掲載した不動産に関する解決案

記事にも書かれている通り、今まで市区町村と法務局は一切連携をとってこなかったのです。市区町村は登記で必要となるような書類を種類によってはわずか5年程度で破棄してしまうのに、固定資産税だけはしっかり徴収しようとするし、法務局はただ登記を受け付けるだけで、何にも把握をしていないという実態があります。

自分たちが登記申請を受け付けた建物のくせにどこに建っているのかさえ把握していないことも多々あります。
法務局も市区町村もどちらも放置していたし、連携を取っていなかったのは非常にいい加減だったと言ってもいいのではないかと思います。

所有者にも登記義務がなく、放置を事実上認めていた

記事にもある通り、不動産は権利登記は義務というものが存在しません。つまり相続が発生しても登記しなくても罰則や罰金はないのです。

固定資産税については市区町村は納税者(所有者であることが多い)の死亡を把握しているため、相続人に請求することで解決します。行政は税金さえ収めてくれれば問題はないため、登記上誰が所有者になっているかなんて、気にしていないのです。

ちなみに相続登記が必要となる場合は売却をする場合や抵当に入れるときに初めて登記が必要となります。それ以外は罰則罰金もないとなれば放置してくださいと言っているようなもんだと思います。

市区町村の書類の管理

最近財務省の改ざん問題などでメールの破棄があまりにも早すぎるということが問題視されていましたが、市区町村の発行する証明書についても破棄があまりにも早すぎる現状が所有者不明不動産を生む大きな要因となっていると僕は思います。

日本では住所を登録している市区町村で、住民票を取ることができます。いろいろな場面で必要となる誰でも一度は目にしたことのある書類の一つだと思います。
ですが、引越しをしたり亡くなってしまった後は現在住んでいる住所ではないということで「住民票の除票」という扱いに変わってしまいます。「住民票の除票」はわずか5年で保存期間を迎えて破棄されてしまいます。
ですが、不動産登記は先ほども書いたとおり、不動産の権利登記には義務がありません。所有者の住所が変更しても登記する必要がないので、5年以上放置しておくことはしょっちゅうあります。登記簿上の住所から所有者を探そうと思っても登記した時から5年を経過してしまうことで所有者が探せなくなってしまうことがあるのです。
相続登記の場合は死亡してから5年10年と放置することも珍しくない状況なので、第三者が不動産謄本を見て所有者を探すということがかなり難しい状況となってしまうのです。
相続登記をせずに放っておくと所有者の住所などの書類を、市区町村は数年で破棄してしまい、所有者不明不動産が生まれてしまうのです。
大昔は書類が膨大になってしまうという事情があったかもしれませんが、データ化されて保存場所の問題などもないことを考えると、短期間で破棄してしまう必要性が全くと言ってもいいくらい見出せません。

まとめ

個人的には法務局でのマイナンバーの導入は賛成というよりもいち早くすべきだと思っています。マイナンバーが導入されてすでに2年以上経過しているのに、未だにきちんと活用できていないこと自体が問題だと思います。

所有者不明不動産の問題と絡める事なく、不動産のような重要な資産については素早く、マイナンバーは導入すべきでしょう。

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