アパグループの事件で容疑者が詐欺容疑で再逮捕されました。すでに容疑を認めているようです。
東京・赤坂の土地の売却を巡る不正登記事件で、大手ホテルチェーン「アパグループ」(東京都港区)の関連会社から土地の代金約12億6000万円をだまし取ったとして、警視庁捜査2課は29日、会社役員の宮田康徳容疑者(55)ら10人を詐欺容疑などで再逮捕したと発表した。10人は他人になりすまして無断で土地を売却する「地面師」グループとみられる。毎日新聞
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何故再逮捕なのか
前回は偽造有印公文書行使などの疑いで逮捕されています。つまり、印鑑証明書などの偽造し利用した罪で逮捕されたということですね。
今回はアパグループを騙したという詐欺容疑での逮捕なっています。
詐欺事件としてすでに報道されていましたが、詐欺容疑ではまだ逮捕されていなかったわけですね。
罰則
偽造有印公文書行使の場合は1年以上10年以下の懲役と罰則となっており、比較的重たい罪となるようです。
詐欺罪もまた10年以内の懲役が課されることとなります。
地面師の手口
最近はプロ中のプロが騙される案件も珍しくありません。地面師の手口はかなり精巧になっているのだと思います。
書類の偽造
地面師の書類の偽造はかなり見破るのは困難なようです。一目見て本物と偽物の区別がつかないようですね。
最近ではブルーライトを当てたら文字が浮かび上がるなどの偽造防止も行われていますが、取引の場で司法書士が受け取ったところで即座に確認できるわけではありません。
本来は発行元の役所が協力してくれる仕組みを作ってくれたらかなり見破りやすくなるとは思うのですが、実際は発行主にしか真偽は教えませんと非協力な態度をとられているようです。
『個人情報保護の観点』とよく聞きますが、ただただ事務的に手続きがしたいだけの言い訳に過ぎないと感じることが多々あります。
本人確認させない
不動産取引、特に今回のような大きな物件の場合は必ず司法書士が代理人となっています。今回も司法書士が代理人となっていたのにもかかわらずなぜ未然に防ぐことができなかったのか気になるところだと思います。
共同代理
近年の司法書士の代理人の立て方は地面師にとってとても犯行を行いやすい構造になっているんじゃないかと思います。
今回は地主と不動産取引のプロという間柄で取引が行われました。
売主も買主もお抱え司法書士がいると思っても不思議ではありません。このような場合、売主と買主それぞれに司法書士をつけるといったケースもよくあることです。
今回のアパグループの詐欺事件では司法書士も逮捕されています。このことから、売主の代理人となった司法書士と考えられます。
売主に司法書士が付いていれば買主の司法書士が積極的に売主本人を調べることはかなり困難だと思います。そもそも売主に代理されたわけではないし、本来ならば売主の司法書士が調査を行なっているはずだからです。
積水ハウスの詐欺被害事件
積水ハウスもまた巨額の詐欺に巻き込まれています。これはアパグループよりも被害額が大きく、63億円も騙し取られていました。ただ売上は初めて2兆円を突破しており、なおかつ連結業績予想を上方修正するくらい絶好調なので痛くもかゆくもないでしょう。
セキスイの詐欺グループの犯行はさらに手の込んだものだと思います。登記簿を見る限りではセキスイは本来の所有者と売買契約を結んですらいないと思われます。
本来の所有者から譲り受ける予定の会社というのを間に挟み、譲り受ける予定の会社とセキスイが売買契約を結んだのだと思います。
最近地面師グループが活発な理由
最近、地面師がらみの犯罪のニュースを見かける機会が増えました。地面師の活動がしかも大手のプロをも狙い、巨額の詐欺事件となる犯罪が横行しています。
地面師グループの犯罪が増えている背景には不動産取引の活性化と土地価格の高騰が関係しているのだと思います。
地面師の活動が活発だったのはバブル期ということからも土地の価格が上がりすぎて、買い急いでいる隙につけこんでくるのだろうと思います。
まとめ
最近の地面師の手法はかなり精巧になっており、プロでも見破ることが難しい状況です。
今後もまだまだ地面師に関するニュースは続くものと思われます。
積水ハウスをふくめ、地面師については今後も続報に注目したいと思います。