法律

上場企業の内部留保は色々とよくない

バブル後、25年ぶりに株価を更新したというとてもいいニュースが入ってきました。早くもバブルの崩壊を心配する声が上がっていますが、僕はまだ楽観して相場をみています。かなりのハイペースではありますが、まあ大丈夫だと思います。もちろん多少の調整などは起こるとは思いますが、長い目で見れば上がっていくものだと思います。

同時に内部留保額の増加もニュースとなっています。ですが、内部留保を溜め込み過ぎるのは経済には良くない影響を与えるんじゃないかなと思っています。特に広く一般から出資を得ている上場企業が現預金でお金を溜め込んでしまうのには大問題だと思っています。

今日は僕が上場企業の内部留保についてなぜ良くないことだと思っているかを少し書いていきたいと思います。

Contents

なぜ上場企業となるのか

上場と聞くと何となく大きな会社だと思うのではないかと思います。一般的には上場企業に勤めていると言えばちょっとした自慢にもなるんじゃないかと思います。

 

上場といえば大手企業を想像するし、大手企業からは安泰を想像します。実際一定基準を満たさなければ上場はできないため、ある一定以上の信頼がある大きな会社であることは間違いありません。

 

ですが、厳しい基準を突破しているからといって信頼できるわけではありません。最近だと東芝は不正会計問題を起こしたし、神戸製鋼はデータを改ざんして大問題になっています。東芝は東証2部に降格していますが、どちらも立派な東証1部上場企業でした。

 

僕は上場の本質はもっと別の場所にあると思っています。

上場の一番の目的は資金調達です。資金があれば上場の必要なんてありません。現に大企業と呼ばれる会社であっても上場していない会社は山ほど存在します。まとめサイトでも非上場企業のまとめが上がってますので是非確認してみてください。たくさん有名な会社がありますよ。

上場は株式会社の機能を最大限に利用する方法

上場という手段は株式会社を性質を活かす優れた方法だと思います。そもそも株式会社は経営者と出資者が別々になることを想定していします。本来、やりたいことがあってもお金がない人を手助けするための仕組みです。

 

中小企業になるとほとんどの場合社長が株主となっていて経営と出資の分離の意味がなされていないことが多く、会社法の想定している株主と社長が別人となることを満たしていない事が多いです。

本当は株式会社にする必要もなく、合同会社で十分なことが多いのですが、「株式会社」の看板をかけたいがために株式会社を設立する人が多いのです。経営と出資の分離を余り理解していない経営者があまりにも多いと思います。

 

上場は広く一般から出資を募るためにはとても有効な方法です。上々していなければ株を買って貰う人を探すのも一苦労です。しかも市場で売買が簡単にできなければ株なんてほとんど価値がないと言っても過言ではありません。上場して広く一般から資金を集めるのと、友人に声をかけて出資をしてもらうのとでは集まる額が全く違うでしょう。市場での取引ができることで気軽に出資をしてくれるようになえるのです。

不足分を補うための出資依頼

そもそも出資を募るのはお金がないから出資を募るはずです。先程も書きましたが、お金が準備できるのなら上場なんてしないほうが良いのです。むしろ上場をしてしまうと買収のリスクもあるし、外部(一般の株主)からの意見も聞かなければなりません。出資をしてもらうというのは軍資金が十分に準備できないことも重要な要件だと思います。お金があるのに出資を募って溜め込まれてしまっては何のために出資を募ってまでお金を集めたのかがわかりません。

出資を募った以上は株主への還元が必須

本来上場してお金を集めるということはやりたいことがあるから出資を募るのです。もし出資を募る段階で『不景気に備えた自己保身資金を集めています。』といえばお金は集まらないと思います。全てではないですが内部留保というのは、そういった保身の意味が込められて積み上げられていると思います。利益が出れば株を買ってくれた人に配当でお返しするか、更に利益をあげるために先行投資を行うべきなのですが、その使いみちさえ決めずに溜め込んでしまっているのではないかと思います。

もしどうしても投資も株式配当もしないというのならば上場する必要はなくなると思います。業績を維持を目的とした時点で、株を買い取るべきではないかと思います。

まとめ

僕は決して内部留保のすべての部分を否定しているわけではありません。特別な用途のあるであれば問題がないのです。ただ、会社の保身のためにお金を積みすぎるのはあまりよくないと思っています。

株式会社は経営と出資の分離が最大の特徴と言ってもいいのではないかとおもいます。その最大の特徴を有効に活用する方法が上場です。上場して多くの人に出資をお願いする以上は成長するために設備投資を続けなければなりません。きちんと投資をした結果儲けたのあれば配当を多めに配ったり、株を買い戻して出資者に還元する必要があります。

『僕たちが路頭に迷わないためのお金です』なんてもののために通常、出資者はお金を出しません。そういう後ろ向きの姿勢であれば、株価は下がり割安株となってしまいます。結果『もの言う株主』の餌食となってしまこともありうるのです。
上場企業でありながら内部留保を溜め込んで積極的な経営を怠っていると大きな危機に直面することがあるのです。