以前から注目していたニュースに大きな動きがありました。
積水ハウスが土地取引で55億円の詐欺にあった事件があったのですが、ついに犯人逮捕というニュースを目にしました。
大手住宅メーカー「積水ハウス」(大阪市北区)が東京・西五反田の土地取引をめぐって約55億円をだまし取られた事件で、所有者に無断で土地の登記を移転しようとしたとして、警視庁捜査2課は16日、偽造有印私文書行使と電磁的公正証書原本不実記録未遂の容疑で、グループの男女約10人の逮捕状を取った。このうち、東京都足立区の職業不詳、羽毛田(はけた)正美容疑者(63)ら数人を逮捕した。詐欺容疑でも調べる。
毎日新聞
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事件の概要
2017年6月品川区五反田の旅館跡地の売買取引を巡って、ハウスメーカーの積水ハウスが55億円もの金額を騙し取られました。
事件発覚以降、内部の会長解任動議などが話題となっていましたが、犯人についての情報はありませんでした。
今回、ついに犯人が逮捕されたということで、初めて大きな進展がありました。
最近はオリンピックに向けて不動産価格が高騰していることもあり、地面師の活動が活発となっており、大手企業も被害を受けています。
容疑
今回の逮捕は偽造有印私文書行使と電磁的公正証書原本不実記録未遂容疑での逮捕ということのようです。
これから詐欺罪なども調べていくということです。
63億円の取引で55億円の損失だった理由
この事件で不思議だったのが被害額と取引価格が一致していないことでした。
不動産の取引では通常、不動産の売買価格が満額支払われた段階で所有権移転の登記を法務局に申請します。ですが、この事件は63億円の取引額に対して55億円の支払った段階で法務局に申請されています。
その後法務局に申請をして却下されたことで書類が偽造であったことがわかっています。
つまり、満額払われていないにも係らず、不動産の移転登記を申請したことになるのですが、通常ではありえないことだと思います。
大きな物件の場合はありうるのかとも思ったのですが、あまりそのような実例を聞いたことがないので、気になっていました。
その答えは毎日新聞の記事にありました。
積水ハウスは所有者になりすました男女らに跡地の購入を持ちかけられ、昨年4月に63億円の売買契約を結んだ。同社はマンション建設を計画したが、法務局での所有権の移転手続き中に印鑑証明などの偽造が発覚。登記はなされなかった。同社は、購入代金のうちグループ側が同社からマンションを購入するとして相殺した約7億5000万円を除く55億5000万円を特別損失として計上した。毎日新聞
つまり不動産の売買取引の63億円と建った後のマンション購入額7億5000万円とを相殺していたということのようです。
終わりに
過去にはアパホテルなども地面師に騙されていますし、地面師って相当用意周到なんだと思います。
今後裁判等で明るみになると思うので、さらに詳しい情報がわかってくると思います。