司法書士試験の実質的な合格発表がされました。口述試験もありましたが、受け答えさえできれば全員が合格できるので、記事にはしませんでした。去年はおそらく一人も落ちていません。
さて、司法書士試験合格後、司法書士にはもう一つ試験が待っています。もちろん合格者の方はご存知でしょうが、それは簡易裁判所の代理権を取得するための簡裁訴訟代理等能力認定考査です。心配性の方はもうすでに気になっていると思います。でも今はまだ大丈夫です。気持ち的には本試験の100分の1以下の勉強量で合格できたので安心してください。
今回は認定考査についていつから勉強すればいいのか?どんな教材を使えば良いのかを紹介したいと思います。
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認定考査の勉強を始めるベストな時期は?
まず勉強を始める時期ですが、あまり急ぎすぎる必要はありません。個人的には年内から勉強する必要は全くないと思っています。
まずは特別研修を受けてイメージを掴むんで訴訟についてのイメージを持ってから勉強を始めれば十分に間に合うと思います。
司法書士試験で法律の勉強はしていても、実際の訴訟のイメージなんて全く掴めていないのではないでしょうか。
特別研修を受ければ認定考査には合格できるというわけではないのですが、訴訟のイメージを掴むにはとても役に立ちました。
私が勉強をスタートさせたのが4月の終わりくらいでした。
しかもそんなにがっつり勉強したわけではなく、徐々に勉強をスタートしていったという感じでした。
仕事との両立が難しいと考えている人は特別研修が始まり次第勉強をスタートさせればいいのではないかと思います。勉強時間を確保できるなら1ヶ月もあれば十分に対応できると思います。
むしろ必死に勉強しすぎた人の方が、迷路に迷い込んでしまい、合格できないという話も聞きました。
おすすめ教材
基本的に加藤新太郎さんの「要件事実の考え方と実務」を買うように言われますが、個人的には少し難しく感じました。
伊藤塾講師の蛭町浩さんの「認定司法書士への道」がとても分かりやすかったです。
ですが、特別研修では使っていると謎の指導が入りますので、特別研修時には「要件事実の考え方と実務」を使う方がいいと思います。
認定考査直前期は「要件事実の考え方と実務」ではろくに頭に入ってこなかったので、「認定司法書士への道」に加え同じく伊藤塾講師の坂本龍治さんの「要件事実ドリル」で勉強をしました。
「要件事実ドリル」は一問一答形式だったので、一つずつ要件事実を覚えるのにはとても役に立ちました。
今、「要件事実ドリル」を買った日をAmazonで確認したのですが、4月15日でした。「要件事実ドリル」を買ってから勉強を真剣にした記憶があります。
認定考査の勉強方法認定考査は訴訟をする時、何を訴訟物として要件事実が何であるかをしっかりと把握しておく必要があります。
例えば売買で代金を支払ってくれないと裁判を起こす場合、「売買契約に基づく代金支払請求権」が訴訟物となって、要件事実は財産権移転約束と代金支払約束となります。
支払請求権に対する抗弁権は同時履行や弁済など色々な原因が考えられますが、これにも一つずつ要件事実がありますのでそれを一つずつ覚えていく必要があります。
すごく大変そうだと感じるかもしれませんが、覚えなければならない範囲は結構はっきりしているのでそれほど大変ではありませんでした。
毎日数個ずつチェックをしていけば十分に確認できると思います。
要件事実をあらかた覚えた後は、全年度の過去問を解いてみてください。私の場合、特別研修の時期に過去問が出回ってきたので、無料で手に入れることができました。過去問は予備校が配っているみたいなので確認をしてみてください。
過去問を解いておけば認定考査のイメージがかなり掴むことができるので、「要件事実ドリル」をまず一年分、解いてみるのもいいのではないかなと思います。
最初に解いた時は「合格できる気がしない」と思いましたが、真剣に勉強をすればすぐに感覚がつかめるようになってくると思います。
予備校に通う必要性
予備校も認定考査についての講座を開設していますが、「通う必要性はあるのか?」ということが気になると思いますが、私自身は通ってはいません。私は司法書士試験も独学勉強だったこともあり、自宅学習がそれほど苦ではありませんでした。
ただ、自宅で勉強できないと思う方は通って勉強するのもいいとは思いますが、図書館に通ったり、自習室を借りれば十分ではないかと思います。周りにも予備校に通った方は一人もいませんでしたし、あまり通う必要性はないのかなと思います。
認定考査に合格までに必要な勉強時間
認定考査までは4月から1日平均2時間程度勉強をしていました。つまり認定考査までに約60時間程度の勉強したことになります。司法書士試験に比べれば、本当に楽な試験でした。
ただ、一年目、二年目までに合格できなければ勉強知識が抜けてしまいズルズルと合格できないという話をよく聞ききますので、なるべく短期決戦で決めるように頑張った方がいいと思います。
終わりに
認定考査を受けるためには特別研修を受ける必要があります。原則欠席を認められないので、ある意味試験よりも厳しいと思います。
ただ特別研修はすごく楽しかったので、個人的には研修の日がすごく楽しみでした。
特別研修で楽しみながら訴訟のイメージを持って、その後試験勉強を頑張っていただければと思います。