私は全く異なるタイプの司法書士事務所に2箇所勤め、どちらの事務所も辞めて今は一人で仕事をしています。
私の場合は独立したいという目的があって仕事を辞めたのですが、それでも辞める時はどちらもすごく大変でした。
大袈裟ではなく仕事を見つける時よりも、仕事を辞めるときの方が何倍も大変でした。
今の時代仕事は世の中に溢れています。しかも同業内での転職はとてもしやすいのではないかと思います。
辞めるという時は相当の決意で臨んでいましたが、それでも辞めるには想定した以上の時間がかかりました。
よく結婚する時よりも離婚する時の方が大変だと言いますが、嘘ではないと思いました。
Contents
仕事を辞めた理由
私の場合は仕事を辞める理由はどちらもはっきりとしていました。
一つ目の事務所は、もっと成長したいという欲求が満たせなくなったからです。
とても居心地の良い事務所でしたが、これ以上の成長は見込めないと感じ始めていました。
仕事のボリューム、労働時間共にとてもいい環境でしたが、仕事もルーティン的な仕事だったので1日が非常に長く感じていました。
確かに司法書士のイロハは教えていただいて感謝はしていますが、次のステップを目指しにくい職場でもありました。
二つ目の事務所を辞めた理由は、独立を決意したためです。
司法書士はそもそも独立をめざす仕事で、雇われは一般的なサラリーマンよりもお給料が安い仕事でもあり、他の資格と比較しても、独立を目指す人が多い仕事でもあります。
辞めれば収入は断たれますが、独立しても生きていけるだろうという根拠のない自信がありました。
生活をしていく必要があるためお金を稼ぐプレッシャーはありましたが、一生雇われでいるつもりは全くなかったので、独立できるタイミングは見逃さないでおこうと思いました。
なぜ辞める時エネルギーが必要なのか
いざ退職をしようと思うと凄まじいエネルギーが必要でした。
なぜエネルギーが必要かというと、報告では済まず長い長い説得が待っているからです。どちらも長い話し合いで引き止められました。
本来なら1ヶ月前までに退職する旨を報告していれば問題ありません。たとえ就業規則で3ヶ月と定められていても、無効となるケースがほとんどです。
ですが、就業規則の期限は間違いなく主張してきます。
そして、何度も何度も話し合いの場を設けられます。これが非常に苦痛でした。
なぜか辞めるという話が撤回されているかのように話を進められたり、忙しい時期だから最低限○月までは残って欲しいと就業規則以上の期間を要求してくることもありました。
二つ目の事務所を辞める時は話し合いが難航し、結局半年もかかってしまいました。
辞めると決めて独立の準備を始めていたので、すごくもどかしかったです。
ですが、私自信が綺麗な辞め方にこだわったこともあり、ある程度は覚悟はしていました。
会社が引き止める理由
会社は人を補充するには求人、人員育成を考えれば数十万円の費用がかかります。
一生懸命求人して、新しい人材を入れても半年は正直言って使い物になりません。
たとえ同業であっても社内ルールを覚えてもらう必要があるため、最低でも半年はかかるでしょう。
さらに、半年以内に辞めてしまうリスクも付き纏います。
つまり、会社は辞める人を補充するということには大きなリスクを抱えているのです。
私の場合は辞めることが目的だったので、お給料の交渉などは一切していませんが、それでもお給料は上がりました。
お給料をあげてでも引き止めたいと思うほど、新しい人材を募集するというのは大変なことなのです。
円滑に退職するべき理由
私はどちらの職場も円滑に辞めることにこだわりました。
個人的な見解ですが、仕事を辞める時はできる限り円滑に辞めたほうが良いと考えています。
なぜ円滑に辞めることにこだわったのかというと、今後の助けになってくれる可能性があるからです。
人生の経験値としては間違いなく、私を雇っていた方の方があります。
いざという時に相談ができる関係性を築いているというだけでも、精神的にも落ち着いて仕事に取り組めるます。
特に同じ業種で転職といった場合は、今後何かでまた繋がることもあるでしょうから、揉めることはお勧めできません。
特に士業のような少数の業界は非常に世間が狭いため、いい噂も悪い噂も広まります。
中にはすごくもめて辞めておられる方も知っていますが、やはりそういう方の情報は割とすぐ噂になっています。
退職をしてもなお接触する機会があることを十分に理解しておいた方がいいと思います。
就業規則は守るべきか
さて、「退職期間は就業規則を守る必要があるのか?」というお話ですが、実体的には守る必要がないことがほとんどだと思います。
ですが、譲歩しておいた方がいい場合もあると思います。
私の場合は3ヶ月の定めでしたが、話し合いがスムーズにはいかず、半年も滞在しました。
相手の条件も一部承諾したので、退職した今でも、関係性は保つ事ができました。
当時はすごくしんどかったですが、今独立をして仕事をしているとあの時、話し合いで譲歩して良かったと思っています。
法律を盾に戦うことは可能であっても、お互いの納得をして辞めることができれば、とても良い関係を築くことは可能だと思います。
終わりに
仕事を辞めることは、そう簡単ではありません。
特に今の時代、人手不足が深刻な時代ですから、なおのこと辞める事が大変になっています。
ですが、やりたい事があるのなら、自分のやりたいことをやる方が後悔はありません。
私は職場を辞めることに躊躇はありませんでしたし、今でも1ミリも後悔していません。
会社を辞めたからと言って関係性をプッツリ切ってしまうのではなく、関係性は保っておいた方がいいと思います。
悪い言い方をすれば利用できる面は利用した方がいいと思います。
感情的になってしまうのではなく、自分にとって本当にプラスになることは何なのかを考えて次のステップに進む方がいいんじゃないかなと思います。