社会に出るとほとんどの人がが株式会社で働きます。働きはしなくても必ず株式会社とはかかわりのある状況であると思います。ですが、多くの人は株式会社って何なのかを理解していないのではないかと思います。
株式会社自体は世の中にあふれているのでもしかしたら知っているような気になっていることも少なくないと思います。
株式会社は会社法の下、成立している法人ですが、株式会社の社長ですら会社法自体をほとんど知りません。何も知らないがために、しょうもないことで罰金を科せられていることもザラにあります。今回は会社法で定められた会社を少しでも知ってもらえるよう、意外と知らないであろうことだけをチョイスしてみました。
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大企業も2,3人の中小企業も会社法
会社法第1条
会社の設立、組織、運営及び管理については、他の法律に特別の定めがある場合を除くほか、この法律の定めるところによる。
株式会社はCMで見かけるような大きな会社から町工場のような小さな会社まで会社法という法律の下で会社が成立しているのです。そのおかげで会社法はかなり複雑で会社法の条文は979条にもなっているのです。
個人的には一つの法律でまとめる必要はないんじゃないかと思っています。同じにしてしまっていることで、中小企業の負担が重すぎる部分もあるんじゃないかと思います。
もちろんほかの法律が絡むこともありますが、会社の形態はほとんど会社法から成っています。
商号に必ず『株式会社』をいれなければならない
会社法6条2項
会社は、株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社の種類に従い、それぞれの商号中に株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社という文字を用いなければならない。
株式会社は必ず商号に「株式会社」を含まなければなりません。今時株式会社なんて古いと思って商号に『株式会社』を入れなかった場合、会社の設立は認められないのです。
反対に株式会社でなければ株式会社を名乗ることができないのです。
有限会社、合同会社などでも同じく必ず『有限会社』や『合同会社』は商号に加えなければなりません。
会社法6条
場所に対しては細かい規定はないため『株式会社〇〇』でも『〇〇株式会社』でもどちらでも問題ありません。見たことはありませんが『〇〇株式会社〇〇』と真ん中に入れることもダメとはされていませんので、できるのだと思います。
株券は発行しなくてもよい
会社法第214条
株式会社は、その株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行することができる。
10年ほど前に会社法が成立するまでは株式会社は株を発行することが原則でした。
ですが法律が変わり、株券を発行しないことが原則となりました。今でも株券発行会社だということを登記すれば株券を発行することはできますが、株券を発行してしまうと面倒なのであまり率先して株券を発行している会社は少ないです。
10年以上前の会社は株券発行会社と登記されているため、株券を発行しないことを株主総会で定めることで株券を発行しない旨を登記することが可能です。
ちなみに登記というのは国に株式会社を設立する際の届け出のようなものです。届け出を登記申請と呼び、登記された事項は法務局に行けば600円程度で会社の登記情報を誰でも取得することができます。大きな会社の物でも本店の場所と会社名がわかれば簡単に取得できますので、興味のある方は足を運んでみてはいかがでしょうか。
最低でも一年に最低一回は株主総会を開かなければならない
会社法第296条
定時株主総会は、毎事業年度の終了後一定の時期に招集しなければならない。
株式会社は株主に出資をしてもらうことで会社が成立します。そんな株主には年に一回決算等の報告をし、承認を得るために株主総会を開かなければなりません。
これも書面上株主総会を開いたことにしている会社が多いです。実際は株主総会を開いていないのに、書面上は開いていることになっていることが多々あります。おそらくほとんどがそうではないでしょうか。
決算は公告する義務がある
会社法440条
株式会社は、法務省令で定めるところにより、定時株主総会の終結後遅滞なく、貸借対照表(大会社にあっては、貸借対照表及び損益計算書)を公告しなければならない。
株式会社には決算の時に必ず公告をしなければなりません。
Wikipediaでは公告とは『ある事項を広く一般に知らせること、または公人・私人が法令上の義務により特定の事項を広く一般に知らせること』をいいます。会社法で公告の方法が官報、新聞、ネットに限定されています。
会社の掲示板に張り出して公告をしたと言っても公告したことにはなりません。
決算については公告が義務化されているので3つ(官報、新聞、ネット)のどれかで公告をしなければならないのですが、ほとんどの会社がきちんと公告はしていません。なぜかというと公告をしなくても罰則規定がないからです。罰則がないため義務とされていても行わない会社が多いのです。
まとめ
いかがだったでしょうか。会社に勤めている以上は会社法のことはある程度知っておいて損はないと思います。これを機に株式会社について知るきっかけとなれば幸いと思います。今後も少しずつ会社法の意外な部分や知って得する知識を公開していきたいと思います。