『持ち家派か賃貸派か?』この論争は永遠に付きない論争のように思います。
どちらも経験した上で自分なりの結論を出すことができたと思いますので少し書いていきたいと思います。
一昔前までは『夢のマイホーム』でしたが、賃貸を選ぶ選択肢もあるのではないかと思うようになりました。
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お金の価値観とマイホームの価値観
結論から言うと私は今後、持ち家ではなく賃貸でいこうと思っています。
お金について勉強をしていくうちにお金の価値観が大きく変わり、賃貸でいくべきだと結論付けました。
勉強するにつれて年収や資産の状況では、マイホームはあまりにも費用対効果の悪い買い物だと感じました
通常、家を買うためには住宅ローンを組む必要があり、十数年後の修繕費や毎年かかる固定資産税などを考えなければなりません。
マイホームを維持するための経費を払い、住宅ローンを返す価値があるのかを考えたときに納得のいく回答を出すことができませんでした。
住宅ローンという立派な借金
まずは住宅ローンについて考えてみたいと思います。
政府はゼロ金利を進め、今や住宅ローンは10年固定金利でも1パーセントを切るような超低金利となっています。
低金利政策が実施されている今、マイホーム購入は絶好のタイミングだと言われることも多いです。
ですが、僕は低金利だからと言って、家を買ってしまうのには、強い違和感を覚えてしまいます。
住宅ローンはいくら利子が安くても借金であることには変わりありません。
マイホームとなると借金という認識がなくなってしまう方をお見かけしますが、そのことにも違和感を覚えます。
しかも住宅ローンは非常に大きな金額です。たとえ低金利であっても毎年大きな金額となります。
借入額3000万円の金利1%でも最初の年は年間約30万円の利子を払わなければならないのです。35年で返済するとなった場合、合計で550万円は利息として支払う必要があるのです。
支出のための借り入れ
私の考え方としては借金は利息以上の利益が見込まれる場合に行うものだと思っています。借金をするのは先行投資をする必要性があるからこそするものだと思います。
住宅ローンは住むための家なので、利益を生みません。住宅ローンを返済するためには、別で仕事をしてお金を稼いでこなければいけません。
マイホームであることで得られる収入が増えるということであれば、先行投資する利点があるのではないかと思いますが、今の時代マイホームを持っていることで収入が変わることがあるのかは少し疑問です。
ゆとりのある方がお金ではない部分でマイホームを買うのは、いいなーと思いますね。
日本特有の不動産事情
また、日本の住宅の場合、築年数が古くなれば古くなる程甲斐が下がってしまうので、投資という面から考えてもよくはないでしょう。
さらに金利が下がるにつれて不動産価格は上昇しているので、今後不動産価格の下落する可能性は高いと思っています。20年も経てば半値しかつかないということも少なくないのではないでしょうか。
加えて言うと今後この低金利が続く可能性はどれだけあるのかもはっきり言ってわかりません。
10年での返済計画を立てて固定金利を組めているのであれば、35年で組んでいるのであればこの10年で金利が上昇した場合、返済額がぐっと増える可能性も十分にありえます。
金利が低く抑えられているうちはいいですが、金利が上昇を始めた時に住宅ローンが大きな負担となってくる可能性は十分にありえると思っています。
日本はこれから未来永劫低金利であるということはないでしょうから、いつかは金利が上昇すると思います。また、人口減少は確実。当面は不動産の価値が上昇する可能性は低いと思います…
税金が意外ときつい
次に税金の問題です。住宅ローンを組んでいる場合、所得税等の控除『住宅借入金等特別控除』というものがあります。
これは借り入れした住宅ローンの年末時点の残高の1%分、その年払った所得税の還付を受けられたり、来年支払う住民税が減ったりする制度です。
最長で10年間控除を受けられるので良い制度だと思うかもしれませんが、これはお金持ち世帯ほど得をする優遇措置です。
結婚し、子供がいたり、保険に入っていたり、確定拠出年金を積み立てていらたりしているのであれば、満額控除受けられる可能性は低いと思います。
固定資産税も馬鹿にならないので注意!!
もう一つ税金で大きな問題が固定資産税です。固定資産税は不動産を所有している以上は、永遠に払い続けなければなりません。
固定資産税の学派毎年算定されるため、年によって異なるのですが、よく耳にするのが、返済額の1ヶ月分を支払う必要があるということです。これから数十年支払い続けるとなれば数百万円の出費となるのです。
一方で賃貸物件の場合は所有者ではないので、固定資産税はかかりません。貸主が固定資産税も計算して賃料を設定しているので、不動産の税金の心配はする必要はありません。
不動産の所有権は放棄できないので、固定資産税はずっとついてきます。
相続の場合は放棄が可能ですが、そのほかの財産の放棄をする必要があることに加えて、不動産の処分が決まるまでは管理義務が発生します。
諸経費
マイホームの購入までには不動産の本体価格だけでなく、色々な諸経費がかかってきます。仲介手数料、不動産の登記手数料、住宅ローン事務手数料、引越し費用、火災保険など様々な諸経費が掛かってくるのです。
仲介手数料は本体価格の3%+6万円+消費税というのが一般的です。
3000万円の物件だと100万円以上になります。不動産の登記手数料も条件によって大きく異なってくるのですが、30万円以上はすると思ってもいいでしょう。
その他の手数料をと合わせると最低でも200万円は覚悟しておいた方がいいでしょう。
また、購入後は保証がない限り、全て自己責任で修繕する必要があります。外壁塗装などは10数年に一度百万円単位の出費となります。
賃貸は仲介手数料、引越し費用、礼金、保証金、火災保険などにお金がかかります。
月10万円の家賃の家と想定して、総額で60万円程度がかかってきます。修繕費については不動産や備え付けのものは原則家主負担で修繕してくれます。
先日ガスコンロの調子が悪く管理会社に電話をしたところ即日対応をしてくれました。
引っ越せない
お金の問題だけでなく近隣トラブルや子供の学校での問題が発生しても簡単には引っ越せないリスクがあります。
世の中本当に小さなことでトラブルになることがあります。植木が境界を越えてきただとか、バイク、車の音がうるさいだとか近隣トラブルの原因は無数に考えられます。
子供が学校でいじめられたなど、問題を多く抱えたとしても別の校区には引っ越せないのです。
ニュースになるようなケースが起こっても、逃げられないのがマイホームの弱点だと思っています。
どうしようもないことで我慢をしなければならなくなるのが、マイホームだと思います。
一方で賃貸は遊牧民みたいなものなので、いざとなれば引っ越せばいいと考えられます。近隣トラブルや学校関係の問題が起こればその場から離れればいいと考えると心のゆとりは非常に大きいです。
終わりに
今回の考え方はあくまで個人的な見解です。すべて一概には言えないと思っています。
実際僕自身、今でも持ち家へのあこがれはありますし、生活が安定していけばマイホームに住むことだってありえると思います。でも今の状況を冷静に考えた時、あまりにも割にあわないのではないかと思っています。
3000万円の不動産を買うために、200万以上の諸経費をかけ、500万以上の利息を払うのに、将来的には価値が半減する可能性があるということを考えるとちょっと買うのは難しいと思ってしまいます。
身軽さや諸経費を抑えられる賃貸は今の私の生活に合っていると思います。